チェコのシュルレアリスム・アニメーション作家〜ヤン・シュヴァンクマイエルの強烈な映像作品が到着。

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【DVD】ヤン・シュヴァンクマイエル 「アリス」 (COLUMBIA)
世界的な児童文学「不思議の国のアリス」をとんでもない大胆さで映像化した88年のシュヴァンクマイエル初の長編映画です。ストーリーはオリジナルに沿いながらも、実写パペット・アニメーションが絶妙に組合わせられたその特異な映像に“こんなアリスあり?”と思わずつぶやく異色作品!
よく考えれば原作の「不思議の国のアリス」は相当シュールなお話ですよね!?遅刻しそうなウサギを追いかけて巨大化したり小人化したりしながら、人間の言葉を喋る動物やトランプの札が住む異世界へ迷い込むわけですから…。アリスといえば愛らしいディズニー映画版を思う人は多いでしょうが、ルイス・キャロルの原作の世界観に合っているのはこっちだと信じて止みません。
唯一の実写登場人物であるアリスは奇妙に冷静で、その可愛らしさと相まってパペットの中の存在に違和感が全くないのがすごい。妙にリアルで気持ち悪いけど憎めないクリーチャーもたまらなく愛しいですね。このパラドックス感!気持ちワル気持ちイイー!
土地柄(大阪・日本橋近辺)ウチの近所にもたまにいますが、ディズニー・スタイルのアリス・コスプレお嬢さんたちに見せてやりたいワー。美品 2780円



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【DVD】ヤン・シュヴァンクマイエル 「悦楽共犯者」 (COLUMBIA)
こちらはシュヴァンクマイエルの96年の長編映画で、彼の最高傑作の呼び声も高い名作です。これがなかなか説明しづらいテーマなのですが(苦笑)、“フェティッシュな自慰機械の発明にとり憑かれた6人の男女、快楽原則を忠実に追求する彼らの秘めやかな行為を、さまざまな映像テクニックを駆使してシュールに描く。”(解説より)というショッキングな内容。“性交のない最初のエロティック映画”と呼ばれております。
6人の登場人物のそれぞれがそれぞれに秘めた、しかし強い変態的趣向を持っており、言葉も交わさず(実際劇中の台詞はほとんどない)己が悦楽の倒錯世界へ没頭する様は狂気さながら。日常生活上でも少しずつ関り合いのある6人がバトンを渡すように同時進行で自分の世界にのめり込んで行く。その姿は猛進的であるが故に滑稽ですが、同時に情熱や悲哀も感じて非常に面白いです。排他的な自己世界に浸るはずがいつの間にかそれぞれの物語が交錯していくストーリーにも要注目。
実にハイエンドな登場人物ばかりですが、多かれ少なかれ誰しもが持つ他人に言えない(言い難い)趣味・性癖をコミカルにグロテスクに…そしてやっぱりシュールに映像化していて実に興味深い作品。映画としての完成度も素晴らしいです。美品 2780円