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今日もやります、ナカレコ presents ナツカヨ2011。本日は後編をお届け。お気にいりのサマー・チューンが見つかるとよいのですけど。例によって例のごとく長めですが暫くのお付き合いどぞよろしくお願いします。

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特集:ナツカヨ2011は18日(月・祝)からの開始です。
掲載商品へのお問合せや通信販売については
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ご迷惑をおかけしますがよろしくご了承くださいませ。
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【7”】ASTRUD GILBERTO / Street Samba (GRAMMOPHON/Verve)
まずはキラーなの。アストラッド・ジルベルト、日本語で歌う。69年に発売された全曲日本語歌唱のボッサ・アルバム「ゴールデン・ジャパニーズ・アルバム」から、とびきりキュートな「ストリート・サンバ」は外せないでしょう!元々作詞を手がけている泉田エミイが68年に発売した楽曲のカヴァ、渡辺貞夫作曲のグルーヴィ・サンバ歌謡の名曲です。あの舌足らずな愛くるしいアストラッドのヴォーカルが日本語を!って事で全てのカタコト萌え日本語歌唱ファンを虜にする、筆舌に尽くし難い魅力。実際アップテンポだし独特な擬音語が多いし…それでこれだけ歌えれば日本語上手いと思うのですけど、ついついカタコト属に分類。2番からは母国ポルトガル語、…ううむ、でもやっぱりカタコト属だなこの人は(笑)。全編トロット(早足)で駆けまわるような爽やかな疾走感に包まれたガールズ・ナツカヨの最高峰。非常にレアなLP盤よりもなんだか嬉しい身軽な7吋盤で。
裸足のバンビーナ度 ★★★


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【7”】鹿島とも子/走れニコ [B面] (東宝)
もうひとつ問答無用のサマー・クラシックスとして日劇ダンシングチームのハーフ歌手・鹿島とも子が歌う71年のシングルから「走れニコ」をピックしておきましょう。「個人教授」のルノー・ベルレーが浅丘ルリ子と共演した市川崑監督の71年東宝映画「愛ふたたび」の主題歌。♫ニッコ、ニッコ急げよニコ〜みやは待ってないィ〜ですよね!因みにルノーがニコで浅丘ルリ子がみや。シャバラバ・コーラスに流麗なストリングス、解放的な自由さで響く朝の野鳥のようなフルート‥。恐ろしく洗練されたグルーヴィ・ハマクラ(浜口庫之助)ボッサ歌謡を、芯があるけど軽やかな歌声で歌いあげてます。2番・3番は仏語詞となるのですが、むしろ日本語歌唱盤なんじゃ?と思うくらいに流暢で全く違和感がないのはやはりハーフの血がなせる業なのでしょか。素晴らしすぎます。鹿島さんを思う時いつも湧く“波乱含みの半生がなければどうなってたのかな”なんてお節介な妄想もこの珠曲の前ではとるに足らないコト。ウマイもんはウマイ、と鶴瓶も申しておりましたっけ(関西ローカルすみません)。
鹿島とも子は夏歌謡界の民芸肉料理はやです!度 ★★★




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【7”】嵯峨聖子/シーサイド慕情 (SONY/Epic)
嵯峨聖子「シーサイド慕情」もこの夏のオススメ。高校サッカーのテーマ「ふり向くな君は美しい」を歌ったザ・バーズに在籍していたり、この後83年頃からロス・インディオスでシルヴィアの後任女性ヴォーカルをフローレス名義で担当したりとコマゴマいい仕事してらっしゃる嵯峨聖子さんの82年発売7吋です。ほんのりとやさぐれ風味を湛えた美声のエレキ・ナンバーで、渚ゆう子や欧陽菲菲の歌ったベンチャーズ作品を下敷きにした庄野真代作詞/小泉まさみ作曲/後藤次利編曲作品。〈私は鎌倉へ〉〈紫陽花の花一輪〉〈お寺巡りのバス〉などに象徴される和風度合いの強いワードと、エレキ・リズムのエキゾティックな融合をしっかりと受け継いだ直系ベンチャーズ歌謡の傑作。夏の焦燥感が現れた切ない裏声がまたたまりませんの。ノヴェルティ色の強さもグレイトですなぁ。
ヴェンチャーズ歌謡伝道師度 ★★★





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【LP】金井夕子/チャイナ・ローズ (CANYON)
今年は金井夕子の3rdアルバム「チャイナ・ローズ」もヘヴィ・プレイ。この79年作は細野晴臣作曲・YMOメンバーが演奏も手がけたテクノ歌謡の表題曲を中心に、ゴージャスなメンツが参加したオリエンタル・ムードの香り高い個性派ポップ名盤として有名です。我が店としましては78年のデビュー曲「パステル・ラヴ」から素晴らしい相性を発揮している尾崎亜美作品の「マヤ・マヤ・ビーチ」をグレイテスト・ナツカヨとしてオススメしたいところ。ダンサブルなパーカッションに派手なホーン・セクションも効いた華やかな常夏シティ・ポップ!厭味の無さは心地よく落ち着いたアルトの歌声故でしょうか。後に岩崎良美が「月の浜辺」と改題しアイドル色の高いカヴァ(こちらも魅力的)を披露していたのに対し、金井版は純然たる良質シティ・ポップの趣き。同作では他に「パ・ル・ラ」という尾崎亜美曲が収録されていますがこれもまた素敵なんです。涼し気なエレピとフルートの西海岸サウンド・メイクと〈パ・ル・ラ〉という言葉のポップな響きが完全一致した胸トキメク名曲。鈴木茂がギターだけじゃなく編曲でも非常にイイ仕事をしています。
日付変更線のビーチ・ダンス度 ★★★





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【7”】川島恵 with 大野克夫バンド/処女飛行 (TOSHIBA)
実力派アイドルの超名サマー・ソングきました。川島恵の3枚目のシングルとなる「処女飛行」(82年)。これなんと大野克夫と大野克夫バンドの完全バッキングによるポップ・チューンなのです。正直なところ初見ではなんでこんな地味めアイドルに“With大野克夫バンド”のクレジット!?と思ってしまったのですが、針を落として納得。澄みきったトーン、アイドルらしいハツラツさと同時に、確かな歌唱力に裏打ちされた自信あるいは芯の強さを兼ね備えているじゃないか。すごいぞ川島恵!どこまでも伸びやかな歌声は“飛行歌謡”に相応しい爽快さ!大野克夫バンドの軽やかに疾走するトロピカルな演奏が最高の形でアシストしていてこの曲の魅力を倍増させています。セールスに反映されなかったのが信じられないくらい完璧なアイドル・ポップ。
高度35000フィートまでフライアウェイ度 ★★★



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【7”】佐藤恵利/まぶしいねチャイニーズ・ハーフ (PHILIPS)
アイドル・ポップからもう一曲。クールな面立ちと憂いがかった歌声でポスト山口百恵の呼び声高かった佐藤恵利たん。平尾昌晃作曲の哀愁サンバ歌謡「ラブ・スケッチ」にしようか悩んだけど爽やかさを選んでしまった。80年発売の2ndシングル「まぶしいねチャイニーズ・ハーフ」はタイトル通りのチャイナ・オリエンタル風味フィリー・ディスコ歌謡、たしか日本アジア航空のオリエンタルCMソングだったはず。まず歌がうまいねこの人も。歌声で言えば百恵というよりも70年代終わりくらいの岩崎宏美ですな。ハリのある高音も素晴らしいのだけど、鼻に抜けるセクシーな中音が素敵。緩急きっちり歌ってグルーヴを損なわないのもさすがです。エキゾティックなメロウ・グルーヴから湧き立つバカンスの香りが夏名曲してます。筒美京平ちっくですが林哲司作・編曲。
オリエンタル・ディスコ歌謡、フィリーもあるでよ度 ★★★





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【7”】BUZZ / サマー・ビーチ・ガール [B面] (KING)
「ケンとメリー」のヒットで有名なフォーク・デュオ、BUZZの「サマー・ビーチ・ガール」を聴かずに今夏は越すなんてもったいない!4thアルバム「君を迎えにきたよ」からの先行7吋として発売された「はつかり5号」(75年)のB面。兄・信之とともにBUZZとのゆかり深い高橋幸宏が作・編曲を手がけた極上サーフ/ビーチ・ボーイズ歌謡となっております。爽やかな少年声のヴォーカル、ゴキゲンなサーフ・ギター(高中正義?伊藤銀次?)、多重コーラスには山下達郎も参加(※“コーラスの上とベースの部分、真中はBUZZの二人と3人で”との事)してます。暑さを忘れる美麗ハーモニー、超気持ちいい!!いなたいフォーク調のA面の裏にこんな快活でウィットに富んだポップ・ソングなんてちょっと驚愕でありました。
達人!丘サーファー度 ★★★



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【7”】川崎龍介/サマー・ブリーズ (WARNER)
サマーな男、川崎龍介がやって来ました。デビュー曲の78年発売「サマー・ブリーズ」!松任谷由実の作詞・作曲、この曲が後に改題・改詞のセルフリメイクで名曲「サーフ天国・スキー天国」として発表された事でも有名です。波音と厳かなハーモニーで仰々しく始まったかと思ったら一転、爽やかなシティ・ポップ・サウンドに転身。コミカルなマリンバ、乾いた太鼓の音が流線型のメロディ・ラインによく映えて、まぶしい日差しを感じさせますねぇ。「サーフ天国…」よりも素直なポップさ、80年代未満のピントの甘さ(いい意味です)が心地よし。軽やかなメロディーが夏丸出しなんだからビーチのラジオから聴こえてきそうな純正サマー・ソングとして歌うのが正解だよねやっぱり。甘いけどちょっぴりぶっきらぼうな歌いっぷりにも好感度大。
衝撃のキャッチフレーズ〈龍介に会ったらもう夏〉 ★★★




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【7”】吉幾三/おじさんサンバ (徳間/CATS TOWN)
吉幾三の85年発売シングル「おじさんサンバ」。初期の千昌夫プロデュース・コミック路線の楽曲…って説明しなくてもわかりますよね。ピピッピピピッピピーー!とサンバ・ホイッスル一発こだましたかと思えばマラカスだ、クイカだ、アゴゴだと一斉に始まるパーカッシヴなリズム。度肝を抜かれる暇もなくギュウウウンとサンタナちっくなギターが泣き、ねぶた風の掛け声共に幾三が歌い出す。〈オジサンは、オジサンは、オジサンは○○○が好きだった〉のフォーマットで懐かしの流行やテレビ番組を羅列していく“私のお気に入り”歌謡。セリフ部分や〈オジサンは今はこんなになったけど昔からオジサンじゃなかったんだオジサンは!〉あたりの自虐節はきみまろへの血脈を感じます。間奏ではファンキーなエレピもなってるし、ちょっとショーケンみたいな瞬間がある突き抜けたヴォーカルも最高。全力バカな完成度にさすがIKZO熱いぜ!!とひれ伏すばかりです。
厄年のマイ・フェイヴァリット・シングス度 ★★★




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【7”】内山田洋とクール・ファイブ/愛した女がいい女 [B面] (RCA)
今年も内山田洋とクール・ファイブを一曲選んでおきましょう。好きなので。83年発売7吋「夏の花よ」からB面「愛した女がいい女」はいかがでございましょう。何と言ってもまずタイトルが最高です。〈愛した女がいい女 他にに理由があるものか〉素晴らしき阿久悠節。レガエ・リズムとチャイニーズ・ムードが融合したポップス路線のサウンドはなんとなく加藤和彦的と思ってしまったけど、作曲の三木たかしよりも冒険的な後藤次利編曲の功績が大きそうですね。なるほど。バキバキのドラムが時代の音してて微笑ましいですが、完璧なコーラスと華やかなストリングス使いには目をみはるものあり。この許容量、正しくクール・ファイブならではと言えましょう。15周年の特別記念盤、らしすぎるムード歌謡の裏面にこんなアグレッシヴなポップ作とか‥当時のファンの方の感想を伺いたいものです。
冷五のキャパシティ∞(無限大)度 ★★★



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【7”】ソニア・ローザ/チャーリー、マイ・ダーリン [B面] (CBS SONY)
究極的なロリータ・ヴォイスのブラジル娘、ソニア・ローザたん。大野雄二と組んだ79年のアルバム「SAMBA AMOUR」(7吋ジャケットは「Spiced with brazil」ですが^^;)から、TBSドラマ「遥かな坂」主題歌としてカットされた7吋「東京イン・ザ・ブルー」をば。EDテーマ的な哀愁ボッサのA面も勿論名曲なのですが今回はB面ラヴ。ゆったりとしたスロー・テンポのメロウ・グルーヴ「チャーリー、マイ・ダーリン」、素晴らしすぎて死ねます。とろけそうなバックの演奏と芳醇なコーラス、もちろん囁きかけるソニアのヴォーカルのスモーキィな質感もたまらない。「イパネマの娘」のような元気ハツラツのキュート・ナンバーもそれはそれは可愛らしいのですが、こういう愁いのある都会的なアダルト歌唱が本当に素晴らししいのですよ彼女は。
永遠の“美しき和ボッサのミューズ”度 ★★★




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【LP】大橋節夫/ロンサム・ビーチ・ボーイ (Discomate)
オッパチのシーサイド・クラシックス「ロンサム・ビーチ・ボーイ」も大好きな夏歌謡です。日本のハワイアン・ミュージックの父、大橋節夫が往年のヒット曲を甦らせた82年のかまやつひろしプロデュース作品。「赤い貝がら」、「さり気ない素振りで」、「赤いレイ」、「倖せはここに」など全12曲を鈴木英人のジャケにぴったりの洗練されたフィーリングでリアレンジしています。写真もかっこいいんだ、さすがの慶応ボーイ。個人的にオッパチさんやフランク永井、伊東ゆかりのような甘くて優しいポピュラー声が好きでして。こういう声の人はどんな曲にも収まりがよいのですけどやはり都会的な編曲が一番しっくりきます。深い年輪を刻んだ人だけに許される味わいと含蓄。ラストに収録のオッパチの作詞で歌う「My way」カヴァ、終幕の寂寥感と切ない調べに涙腺崩壊をお覚悟ください。徳武弘文、高水健司、高橋ゲタ夫、ペッカー、EVEら参加。
サヨナラと云わないで度 ★★★

My wayなかった…残念。


とまぁ、こんな感じで今年のナツカヨお送りいたします。
特集は明日18日から!
よく冷えた夏皿ご用意してお待ち申し上げております。

※過去のナツカヨ特集についてはこちらから見ることが出来ますので、興味のある方は見てやってくださいませm(_ _)m

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特集:ナツカヨ2011は18日(月・祝)からの開始です。
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