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今日は海の日!なのにあいにくの曇天っぷり。関西はまだ梅雨明けしてないんだよなぁ。暑さだけは立派な夏なのにさ!って事で去年非常に好評を頂戴したあの企画、今年もやっちゃいます♪
ナカレコ2号店からの暑中見舞い、“夏に聴きたいこの一曲!ナツカヨ2009”スタートです!※今回も長くてごめんなさい。


hirotamieko_nagisanotenshi
【7"】弘田三枝子/渚の天使 (COLUMBIA)
弘田三枝子の68年発売のシングル「渚の天使」は橋本淳:作詞、筒美京平:作曲による和製レアグルーヴ・ビート歌謡の名曲中の名曲!ベース、ピアノ、タンバリン、ドラムのグルーヴィンな時間差登場でのっけからいきなり最高潮のテンションに達するアグレッシヴな演奏に、“バンバン バンバン”とはじけるミコのヴォーカルで思わず体も踊りだします。うねるベースライン、ジャジィに揺らぐピアノ、女声イエイイエイ・コーラスの間合いも絶妙で本当に68年の作品なのか?と耳を疑っちゃうほどキュートでお洒落な一枚。イントロのドラムブレイクが恐ろしくカッコイイB面の「恋のエンジェル・ベイビー」とあわせて、夏の夜を盛り上げるダンス・クラシックスに身をゆだねましょー!
サマーナイトはダンスに夢中度★★★

hirotamieko_nagisanodate
【7"】弘田三枝子/渚のデイト (TOSHIBA)
こちらは63年発売のシングル「渚のデイト」で、東芝時代のミコが情感たっぷりに歌い上げるご存知コニー・フランシスの日本語カヴァーポップス。流麗なメロディの美しい曲で宮間利之とニューハードの静かな伴奏を従えフェイクを交えて歌っておりミコの端正な歌唱力、そして当時弱冠16歳とは思えない大人びた表現力の高さに脱帽しきりでございます。元気なミコ〜パンチミコも魅力だけどこういう正統派ヴォーカルがさらりと歌えちゃうのも彼女の凄いところなんだよなぁ。コニー版は午後の渚が似合うけど、ミコ版は夕暮れの渚が似合います。湿度の違いかしらん?
情熱の渚(湿度高め)度★★★

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【7"】ペドロ&カプリシャス/夜のカーニバル[B面] (WARNER/Atlantic)
ペドロ&カプリシャス初代ヴォーカル・前野曜子時代のヒット・シングル「別れの朝」のB面ながらA面を凌ぐかっこよさを誇る「夜のカーニバル」は、セルジオ・メンデスも腰を抜かす和製ファンキー・ボッサ歌謡です。作詞:なかにし礼、作曲:かまやつひろし、編曲:前田憲男という鬼才が揃い踏んだというだけでなにかがありそうな気がしますでしょ!?いやぁ〜実際あるんだから仕方がない。いきなりヘヴィなドライヴィン・ギターが唸り、力強くファンキーに鳴るフルートを携えた疾走感のあるバックは熱さと冷たさを併せもっているよう!前野曜子の力みのない歌唱と男性コーラスの相性も素晴らしいです。
狂熱のボッサ・カーニバル度★★★

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【7"】マリーン/ザンジバル・ナイト (CBS SONY)
フィリピン出身のジャズ歌手・マリーンの83年のヒットシングル「ザンジバル・ナイト」は、全編英語詞ながら笹路正徳作曲のめちゃめちゃしっかりした国産レゲエ歌謡。笹路正徳(Key/syn)、土方隆行(g)、渡辺モリオ(b)、山木秀夫(dr)という清水靖晃抜きのマライアの面子でバックを構成。全員がスタジオ・ミュージシャンとしてならした手練揃いだけあって本格的なサウンドを展開してるから“歌謡”といっちゃダメかしら?洗練されたエキゾティックなメロディと挑発的なマリーンのヴォーカルがすごくスリリングで非常にカッコイイ一枚です。EVEがコーラスで参加。
ザンジバルの夜は長い度★★★



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【LP】桜田淳子/熱い心の招待状 (VICTOR)
去年も大々的に取り上げた桜田淳子ですがやはり今年も…、夏っていったら淳子なんだもん。76年発売の9thアルバム「熱い心の招待状」は少女から大人へと成長した彼女を堪能できる秀逸な作品。夏に聴くならぶっといリズムが唸る水谷公生作曲のスペース・ファンク歌謡「わたしの広告」、大人っぽくダルにジャズる大野克夫作曲の「セクシー・ギャング」、フルートの爽やかな音色に囁くような優しい歌唱が心地よい井上忠夫作曲のボッサ歌謡「彼の帽子」がオススメ。彼らのような若手作曲家と組んでそれまでの淳子にない大胆さや大人っぽさ、哀愁路線にも挑戦した実験作でしたが、しっかり結実してるんですよねェ。淳子のフレキシビリティは素晴らしいものがあります。
あなたの心を鷲掴み・淳子に降参度★★★



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【7"】ダウンタウン・ブギウギ・バンド/沖縄ベイ・ブルース (TOSHIBA)
ダウンタウン・ブギウギ・バンド76年発売の「沖縄ベイ・ブルース」は8枚目となるシングル。DTBWBの初期ロックンロール路線から歌謡度のより高い歌謡ロック期への変遷において、最重要と言っても過言でない楽曲のひとつです。ハネるリズム&ブルースにブラスを加えたノーザン・スタイルに、千野秀一のジャズ・ロックなオルガンが絡んでくる新鮮な構成。タイトルにも入っている沖縄のヨナ抜き音階が要所要所で主張するのもDTBWBならではのごった煮感ですごく面白い曲ですよね。これだけやって浮いた処がないのはやはり天才・阿木耀子の歌詞と宇崎竜童の歌心のなせる業でしょう。
歌謡ロックの殿堂度★★★

sagara_watasinosukinamono
【7"】佐良直美/私の好きなもの (VICTOR)
“ボッサノヴァのリズム”“夜明けの渚”“レモンの切り口”…と「私の好きなもの」をボッサのリズムに乗せて滔々と歌い上げる佐良直美の67年のシングルです。優しく響くヴィブラフォンやくるくると宙を舞う鳥のようなフルートの音色…派手さはないけれどとても気持ちいいボサノヴァのリズムと、ほどよい甘さを浮かべたソフトでふくよかな彼女の歌声はうっとりと夢心地に誘ってくれる素敵すぎの一曲。歌詞も素晴らしくて“棒のついたキャンディ”“霧の中のエアポート”“雨あがりの匂い”などなどと絶妙な言葉のチョイス…“でもあなたが一番好き”だなんてめちゃ可愛いじゃないか!作詞:永六輔、作曲:いずみたくの愛すべきスタンダード。
夢見るMy Favorite Things度★★★

yuya_syojokokai
【7"】優雅/処女航海 (CBS SONY)
台湾アイドル〜優雅(ゆうや)の74年発売の日本デビュー・シングル「処女航海」。南沙織やチェルシア・チャンなどちょっとカタコト系アイドルの名作の多く手がけた作詞:有馬三恵子×作曲:筒美京平のコンビによるファンキーなソウル歌謡の定番です。ドラム・ソロから始まる(!)イントロにギターのカッティングと絡むクラヴィネットという個性的なアレンジ。全編を通して鳴り続けるアコギとマラカスのパーカッシヴな音色にテンションはあがりっぱなしです!それにしても優雅の歌と日本語の巧さには感心しますねぇ。京平ソウルをここまでしっかり歌える人って日本人でもそうはいないですよ。
台湾ファンキー・タイフーン度★★★

kaze_umikaze
【LP】風/ 4th Album〜海風 (CROWN)
元・かぐや姫の伊勢正三と元・猫の大久保和久によるユニット〜風。各々の経歴や「22才の別れ」のヒットでフォーク・デュオの印象の強い彼らですが、76年3rdアルバム以降ののシティポップ・サウンドへのアプローチは驚くほどに洗練されています。この4thアルバム「海風」(77年)もスティーリー・ダンやネッド・ドヒニーを髣髴とさせるウェストコーストAOR!特にタイトル曲での伊勢と水谷公生による二本のアコギが生み出すタイトなグルーヴや鍵盤との絡みの妙、「あの娘の素顔」のバウンシィなクロスオーヴァーサウンドは絶品。フォークの面影残る繊細なヴォーカルともマッチしてます。実は秋〜冬の歌が多いんだけど、クールに時に爽やかに時にメロウに時にファンキーにというサウンドは夏にピッタリの一枚。
吹きすさぶアコースティック・グルーヴ度★★★



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【7"】西郷輝彦/真夏のあらし (CROWN)
青春歌謡歌手からポップス・シンガーへの転換の契機となったセルフ・プロデュース作品「真夏のあらし」(70年発売)は、歌手としての最盛期(セールス面を除く)となった70年代の西郷輝彦を象徴する一曲。アタックの強いフリーキーなピアノが鳴り、超ファンキーにベースがうねりラテン・パーカッションが小刻みにビートを刻むグルーヴ歌謡で、青春歌謡時代の甘い歌唱から一皮向けた迫力のソウルフル・ヴォーカルが炸裂する。作詞:阿久悠×作曲:川口真というコンビらしいダイナミックなサウンドにふりしぼるようなテルのシャウトはどうだ、最高にカッコいいじゃないか!西城秀樹に受け継がれるダイナミック・ロック歌謡の金字塔。
西郷“トム・ジョーンズ”輝彦度★★★

matsubara_mayonakanodoor
【7"】松原みき/真夜中のドア〜Stay With Me (CANYON)
松原みきの79年のデビュー・シングル「真夜中のドア〜Stay With Me」はシティ・ポップ史に燦然と輝くエヴァーグリーンな名曲。三浦徳子と林哲司のコンビによる作品で、西海岸クロスオーヴァー・サウンドと伸びのあるヴォーカルが素晴らしい一曲です。松原正樹(g)、後藤次利(b)、林立夫(dr)という強靭なメンバーが奏でる鉄壁のグルーヴ!軽快なビートとコーラスワークに中盤から盛り上がるブラス…す、隙がねぇ。アリの子一匹入れませんよコレ。キャロル・ベイヤー・セイガーの「It's the Falling in Love」が元ネタという事も有名ですが、正直こちらの方が完成度高いような気が。イントロのコーラス部分を自身で歌っているシングル・バージョンが至高です。
日本⇔西海岸どこでもドア・サウン度★★★



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【7"】南沙織/Ms. (CBS SONY)
南沙織の78年発売の「Ms.(ミズ)」は実質的なラストシングルで、シンシアの歌手生活の集大成とも言える佳曲。作詞/作曲はデビューからお馴染みの有馬三恵子×筒美京平のコンビ。涼しげな女声ハーモニーコーラスが印象的な爽やかだけど少し物悲しさを湛えたメロディは、シンシアの魅力であるはつらつとしたソウルフルな歌唱と約7年間の歌手生活で培われた愁いの表現力や抑制を活かせる緩急とストーリー性に満ちています。眩しくキラキラと輝く太陽のようなシンシアとの別れは夏の終わりのような寂しさを感じて思わず泣けてきますよぅ。
グッバイ夏の彼女度★★★



明日は後編をお届けしまーす!



■2008年のナツカヨはこちら。前編後編
お暇なら見てよね。